【戦評】2018年9月11日 国学院大学VS立正大学

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まず両チームともスタメンに異変があった。
先攻の国学院大学は、春季に打率3位の.400を記録し、満票でベストナインに選出された小川龍成(2年・前橋育英)を欠いている。
一方立正大学も、春季打率6位の平田(3年・立正大淞南)を欠く状態で試合開始となった。

この試合が開幕戦となる国学院はエースの清水(4年・帝京)・一方前の週で王者東洋大に接戦の末勝ち点をこぼしてしまった立正大は糸川(2年・川之江)を先発に送る。

国学院はさっそく立ち上がりに苦しむ糸川を攻め初回から2死満塁のチャンスを作る。しかしここはスタメンに抜擢された6番松野(4年・武相)が凡退し、無得点。
さらに2回、3回と連続して走者を出すものの後続が続かず、立正大先発の糸川を捕らえきれない。

すると4回裏、ここまで抜群の投球を繰り広げていた国学院清水が、立正大先頭の2番根本に四球を与えてしまう。そして迎えるは3番小郷(4年・関西)、4番伊藤裕(4年・日大三)とこの日プロ志望届を提出した強力なクリーンアップ。
まず3番小郷は強烈な打球を放ち、投手を強襲するかと思われたが、これを清水が反応よく捕球し、素早く二塁へ送球。受けた遊撃手中山(2年・大阪桐蔭)も一塁へ自慢の強肩を生かした力強い送球で、俊足小郷をアウトにし併殺を完成させた。

その後4番伊藤裕には四球を与えてしまうものの、後続を抑え無失点。

試合は5回表に動く。
この回先頭の国学院8番伊藤雅(3年・関東一)の打球を立正大三塁手の佐々木斗(3年・北照)が失策。続く9番横井(4年・大阪桐蔭)はバスターを決め、無死1,2塁とチャンスを拡大する。
送りバントで1死2,3塁とすると、2番工藤(4年・前橋育英)が右中間へ2点適時二塁打を放ち、国学院が待望の先制点を上げる。

対する立正大は先発糸川が粘投を見せるものの、国学院エースの清水の前に5回まで無安打に抑え込まれる。6回にようやく3番小郷がチーム初安打を放つも、4番伊藤裕は空振り三振、さらにこの投球で1塁走者小郷がスタートを切り、その際の捕手の送球を妨害したとして走者小郷もアウトになってしまう。

粘投を続ける立正大糸川は7回も四球と送りバントで1死2塁のピンチを招き、国学院1番の貞光(3年・天理)を迎える。すると立正ベンチは4人左打者が続くことからここで糸川を諦め、2番手に変則左腕の山本(1年・広陵)を送り込む。
そして山本が後続を抑え、2‐0のまま8回へと進む。

8回から立正大は3番手に鈴木(4年・越谷)にバトンタッチ。鈴木は春は不調だっただけに、最後のシーズンはしっかり締めくくりたいところだ。

鈴木は簡単に2アウトを奪うものの、6番松野にこの日2本目の安打を打たれると、松野の代走戸堀(2年・横浜)に盗塁を決められる。すると7番川村(1年・日本文理)の打球はセンターへ。抜けたかと思われたが、足の負傷を抱えながら出場している立正大二塁手伊藤裕がこの打球を止める。
2塁走者戸堀は三本間に挟まれるが、伊藤裕が三塁に送球する間に戸堀が判断よくホームをおとしいれ、国学院が追加点。

試合はこのまま最終回、立正大学の攻撃へ。
国学院清水は8回まで1安打しか許さない安定した内容で完投のマウンドへ向かう。

先頭の3番小郷を遊飛に打ち取ると、打席にはここまでミスショットの目立っていた4番伊藤裕。1ボール2ストライクから投げたストレートは外角低めに決まったかと思われたが、判定はボール。続く5球目も逆球となったフォークが外角低めに決まったように見えたが、これもボール。
すると6球目、捕手の要求通りインサイドにいった145㎞のストレートを、伊藤裕が弾き返しレフトスタンドへ。4番で主将の意地の一発で、1点を返す。

2死となり6番木下(4年・戸塚)がセンター前に安打を放ち、代走の石森(4年、浦和学院)が盗塁を決める。一発出れば同点の場面となったが、7番佐々木斗は右飛に倒れ、試合終了。

清水が129球の完投で、国学院大が3‐1で勝利した。

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